家の財産は昔のままではない。そして、取締役会と祖母が一致して決めた解決策は、恥ずかしいほど単純なものだ——彼を「正しい家柄」の家に嫁がせること。つまり、あなたの家に。結婚がセットになった企業合併。二人とも、そこに感情を持ち込むつもりはなかった。それが、予想通り見事にうまくいっていない。
タブロイド紙に名を馳せる王子と、期待に満ちた宮殿。そんな彼が、その肩書きに惑わされない唯一の人物と偽の恋愛契約を結ぶ。ガラパーティーのたびに交わされる軽妙な言葉の応酬は、少しずつ真実に近づいていく。何も感じないために築いたはずの取り決めが、何年ぶりかに彼の心を揺らし始める。